■Flyfishing考

北海道も本州並に魚がスレてきたり自然破壊が進み、以前の北海道のような釣りができなくなってきています。もちろん魚の減少も平行して進んでいます。北海道のように内水面の規制が少ない地域では放流事業も民間の手によるものが多く、今後釣魚を増殖させていくためには、かなりの問題をかかえた地域だと思います。

そんな時代にフライフィッシングで魚を釣ることは、かなりのテクニックが必要になってきます。しかし魚を釣るテクニックはもちろん経験も必要ですが、そんなに難しいことはほとんど無いような気がします。現在のフライマンを見ていると情報過多のような気がします。それにひとつひとつは正しい知識をたくさん持っていますが、それがバラバラで自分の釣りに役立っていないことが多いのではないかと思います。

■ちょっと考えてみてください!

たとえば目の前のライズがあったときなんか、普通のフライマンならまず今付けてあるフライを思わずライズに目掛けてキャスティングしてしまうことなんかありませんか?まぁ運良くヒットしてしまうことはあるでしょう。しかしそこで魚が何を捕食しているのか?ではフライはマッチしているのか?当然ドライフライでしたら浮くことが出来ないほど濡れてないか?リーダーやティペットは完璧なのか?はたして自分が立っているポジションが間違ってないか?そんなことが一瞬にひらめいて対処できれば、釣れる確立が上がってきます。

これだけ魚を釣ることが難しい時代です。パイロットフライなんて過去の方法なんかはかえって釣場を荒らしてしまう行いとなってしまいます。とくにライズの釣りでは、その魚を釣る確率として1投目がヒット率100%としたら、2投目からは確立はどんどん下がっていくわけです。マッチング・ザ・ハッチの釣りの時なら、ある程度魚も多少なりとハイになっています。フライやティペットに気づかれないうちは数投目にヒットすることもあります。

■タックルの基本をもう一度見直してください!

たとえば中渓流で山女魚やニジマスなんかを対象魚にしてドライフライをしようとフライタックルをセットしてみてください。ロッドは8〜8.6ftの#3〜4をチョイスします。ここまでは正解だと思います。
しかしリーダー& ティペットになると16ftの7xなんかを今流行のタイプにしてしまうフライマンが多くなってきています。取り扱えるのならその設定も良いと思います。

しかし正確にポイントに落とせないとかターンに問題があるとか自分の技量に合わなくてライントラブルしている場合は少し考えた方が良いと思います。これは釣りをする以前の問題です。
実際のところこのシステムはリーダー& ティペットの弛みを利用してナチュラルドリフトを求めるシステムです。早い話タックルシステムで技量をカバーしてもらっているだけです。

自分がパーフェクトターンオーバーできる長さのリーダーにプラス2ftのティペットが釣るためには最適な方法だと思います。ナチュラルドリフトを求めるならフライラインの操作で克服していく方が上達の道だと思います。

■エキスパートフライマンに求められる何か間違っている基本テクニックとは?

ここでエキスパートにやってもらいたいテクニックの方向性を考えてみたいのですが、先のリーダーの話からします。細い長いリーダー& ティペットを使いこなし魚を釣ることが大きな間違いだということです。当然このシステムではナチュラルドリフトを求めるには簡単に出来ることです。そこそこキャスティングテクニックが上がればポイントに入れることは出来るようになってきます。後は多少のメンディングを入れればOKって感じで釣れてしまうのです。

もし短くて太いリーダーではどうでしょうか?リーダー& ティペットは硬くナチュラルドリフトさせずらくなります。完璧なカーブキャストや流れを読み取らなくてなりません。日本のフライフィッシングは餌釣りと同じように魚を取り込む部分が重要視されていることもあって、魚がヒットしてからの繊細なタックルで取り込む技や魚の引き味を求めるロッドが珍重されています。

リーダー& ティペットのサイズの決め方は、フライのフックサイズで決めるのが常識です。自分の技量が足りずどうしても釣れない場合にティペットのクラスダウンをしたりロングティペットにしたりしていくのが普通で最初からそれを求めるのは何か間違いだということです。

初心者にロングリーダーこそ取り扱うことは難しいことですが、細いリーダーを短めにして使うことは可能です。よく初心者だからといって太目のリーダーを勧めるエキスパートフライマンがいますが、それって逆にどんどん釣れないテクニックを押し付けているのと同じことだと思います。
太いリーダーで一日ライズに向かってバッチャンバッチャンやっていては、「フライフィッシングって釣れないねー」って愚痴られるだけの釣りで終わってしまいます。

それよりは、バラしてもよいからフライに魚がでてくれる(魚種・サイズ問わず)ほうが、本人も楽しいしフライフィッシングを教えたエキスパートフライマンも鼻が高いってわけです。そこでもうひとつ問題があるわけです。とくにマッチング・ザ・ハッチの世界から見た場合ですが、エキスパートフライマンでもやってしまうことですが、たとえば目の前に60センチを越すようなレインボーがいたとします。よく見るとユスリカなんかのピューパをパクパクと捕食しているところに遭遇した場合に、思わず魚のサイズを見て、先ほどまでロングリーダー& ティペットを使用していたフライマンもリーダーを太くして大き目のフライを付けてしまいます。なんと一投目のプレゼンテーションでレインボーは姿を消してしまうわけです。

宝くじの1等が当たる確率でヒットする場合もありますが、ほとんどの場合キャスティングだけで終わってしまうことがあります。とくに見える大物サイズを狙う時には気をつけなければならないことです。この場合本人は、魚がヒットしてからのことしか考えていません。
なんとか魚を手元まで寄せたいという狩猟本能が働いてしまいます。別に魚をキープしないのなら、自分のフライに出てくれたという満足感だけでもいいのではないかと思います。運がよければ(技量があれば)取り込むことも出来ます。こんな失敗とかが「釣れない」に結びついてしまうひとつの原因にもなっているように思もわれます。

■基本的間違いだらけの使用方法

最近気づいたことですが、フロータントやシンク材の使用方法なのですけど、かなり無駄な使用方法をやっているフライマンの話を聞いたことがありました。
たとえば世界的に売られている粉末状のフロータントがあります。一昔シリカゲルという濡れたドライフライの乾燥促進をするための同様な素材がありました。これは浮力性能の無くなったドライフライをティペットに繋いだまま容器に入れシャカシャカとすると、ドライフライに染み込んだ水分を多少吸水して乾燥の手助けをしてくれました。

しかしその風習をそのまま現在の粉末状フロータントに使用すると逆効果になります。この種のフロータントもそうですがドライフライをティペットに結んだ時(乾燥状態時)に使用するのが一番効果的なのです。濡れたドライフライに使用すると粉末がこびり付き癒着状態になり、フライ自重も増え予想以上には浮くことは出来ません。また液体のフロータントも乾燥状態のドライフライに染み込ませて始めて効果があるのですが、濡れたドライフライでは染み込ませる能力はいくらもありません。

またジェル状のフロータントもドライフライに直接付けて使ってしまうフライマンもいます。これも単純に自重が増すだけであまり効果がありません。必ず指に取って液体状になってからドライフライに塗ることです。実はシンク材も同様に効果的に使うのは必ず乾燥状態のニンフとかに使用するのがベストなのです。

■北海道のフライフィッシングの基本を確認してみる

現在の情報化時代で北海道のフライフィッシングだけをみると、本州や海外とは違ったタクティクスを持っていると思います。ニジマス一匹釣ることだけでも、いろいろと独自なシステムがあります。
例えば十勝方面の支流では6月から7月にかけてヒゲナガカワトビゲラやモンカゲロウのスーパーハッチがあるところがります。
そのあたりに生息するニジマスは大型のドライフライには以上に反応してしまう傾向が強いです。昔から北海道は大きいフライで釣れると有名でした。まだ魚もスレてないし、大型の餌も豊富な時代です。そういうところに住むニジマスはシーズンを通して大型ドライフライに簡単にライズしました。現在もそれに近い河川も多少なりと残っています。

大型フライが終盤になり小中サイズのフライが中心になるころでも、大型フライが活躍してしまうのです。フライフィッシングはマッチング・ザ・ハッチだけではありません。
その場所・ポイントでのタクティクスは有効に使用することです。無理にマッチング・ザ・ハッチにこだわらず、いろいろなフライを使用することも釣るためには、必要なテクニックになります。それがまた新しいフライフィッシングの釣り方になることも充分に考えられます。

湖なんかよく特定のカラーに異常に反応してしまうことあります。少しルアー感覚も入っているアトラクターフライにはよくある現象です。
こんなカラーはあまり自然界に無いのにどうしても魚の反応が良いフライはたくさんあります。釣り人の目からは、「えっこんなフライ?!」というのがけっこう良かったりする場合があるので注意したいところです。

■フライタイイングの基本を確認してみる

ここで釣れるフライの基本を考えてみます。ドライフライはしっかり浮くことと、全部のフライに言えることですが、バランスが良いことです。どんなに浮力性能が良くても水の上で逆さまになったり傾いたりするドライフライはあまり性能の良くないフライです。浮力だけのフライの前にフライのバランスを考えなくてはなりません。もちろん水面下のフライにもこのバランスというものを考えなくてはいけません。

ゾンカースタイルのようなストリーマータイプのフライフックの場合、ベンド部分が重いため水中でアイ側を上にして45度ぐらい傾いてしまいます。それを水面となるべく平行になるようにアイ側にウエイトを増やします。単に沈めるためのウエイトでは無く、あくまでもフライのバランスなのです。
一度お風呂なんかでテストしてみるのも良いです。リトリーブしない時はアイ側からゆっくり沈むように、リトリーブをすると水面と平行になるようにウエイト調整をします。

もちろん回転したりするのも問題があります。またそれにプラスしてマテリアルを吟味することも大切です。ボディの太さやウイングのボリュームなど適した量を使うことが大事です。

■総合的に見た北海道のフライフィッシング

北海道にフライフィッシングという釣りが入ってきて30年を越しました。
私もその間北海道のフライフィッシングを続けてきました。アメリカやニュージーランド、カナダと世界的に有名な釣場のフライフィッシングを経験して北海道と比較すると三カ国と同じようなフライフィッシングができるのが北海道という場所です。あらためて素晴らしい環境に生活しているわけです。

もちろん魚種の多さやソルトウォーターフライフィッシングまで考えるとなおさら凄いフィールドなのです。
しかしこの30年間の間に北海道も開発の手により変わってしまい、ストレートとコンクリートで切断された河川へと移行されてきました。でも釣り人が守ってきた自然がまだあります。残された自然の中でフライフィッシングを楽しむためには、北海道に合ったテクニックを身に付けて行くことです。

30年前のニジマスと現在のニジマスではたぶん別種な魚のような気がします。その時代に合った北海道のフライフィッシングテクニックをマスターして、もっと釣れるエキスパートフライマンになって下さい。